美貌録

とにかく、思うことを何も気にせず、淡々と、書いてみる。

本当のような話

amazonにすら売っていない隠れた本。
M君に「読みにくいですよ」と言われながらも、「この本は文壇の一部で非常に評価されている」ともいわれ、読んでいた。

しかし、読みにくい。まず、時間の流れが分断されている。なので、読みながら自分がどの時間を主人公と過ごしているのかわからない。
次に、作者の教養がありすぎて、何語か解らない言葉が書いてある。(M君から借りた本なので、彼の約が書いてあったが。)
さらに、主語が無い。
その言葉の主を読み出すのに、なんども往復しなくてはいけない。

普段、速読の私だが、妙に時間が掛かった。

この話は、ただの、「本当のような」話である。
説明するのが難しいほど、普通の話だ。

もし、それが本当であるならば、とはじまり
女と男のやり取りが無感情に、つながれていく。

感情が存在しない。
感情すら、仮説なのだ。この本では。

夫へ愛を感じていながら(夫は既に亡くなっているが)、その感情すら無表情なのだ。ただ、あるのは豊な食べ物の話。
蔵に積み上げられている3代前からのお酒。資産としては膨大なものになるだろうが、まだ、誰も買わない。そこで民子は、と、これがまた 無感情。

不思議な本だ。
読んだ事自体が、本当か、嘘なのか。