美貌録

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アル・パチーノ マイケル・マン ラッセル・クロウ

ポニーキャニオン 2003-06-18
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グラディエーターの人と同じだと知ったのは後からだった。
彼が本当に真実のために動いたのか、周りが彼を真実にさせたのか。
その心の動き、彼の弱さをラッセル・クロウが演じきっている。
ただの、化学オタクなんだ。見栄張りの。それが、「真実」を知るがゆえに回りから真実を伝えることをよしとされ、そして彼は中途半端なヒーローになった。

アル・パチーノ演じるプロデューサーは真実を追い求める事に夢中になり、ラッセル・クロウに対する興味というよりは、彼が持つ真実に興味があるのだ。そうでなければああいう会話は出来ない。最後に「情報源を守れなかった」と言ったが、それは詭弁に過ぎない。かれが守れなかったのは真実を告げる為の代償なのだ。

ストーリーは派手なアクションはないが淡々と進んでいく。主役二人が完璧なまでに伝わる演技をして私はドキドキしながら見ていたのだ。

でも、一番すきなのはCBSの法務部のお姉さん。
「Yes or No」の質問に、どちらとも答えず「そういう問題がありますから。」どちらともとれる受け答えはさすが素晴らしいと思った。はい、いいえで答える必要はない。質問に答える必要はない。自分の見解を述べる。そういう交渉術だ。

この映画はオススメ。