美貌録

とにかく、思うことを何も気にせず、淡々と、書いてみる。

胡蝶の夢(3)

胡蝶の夢〈第3巻〉
胡蝶の夢〈第3巻〉司馬 遼太郎

新潮社 1983-01
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最高ですよ。最高です。
肩書きは、名誉は医者には必要ない、医者とは誰もを見なくてはいけない、というポンペの思想、「余は何を残したのか」というポンペのむなしさ、そしてせつなさ、伊之助の天才っぷりを活かせないこと、伊之助のなんだかまだるっこしさ、そして遊郭、「丸山とはそんなに住み心地のよいところでございましょうか」


時代が変わる、時代が動く

町医者とは、医者とは、医者の前ではすべての人が平等であり、お金儲けのためではなく、人の命を助けると言うことに目を向けなくてはいけない。

Oさんが、キミは町医者だよと私に言ったことがある。
大学病院ではできない、ちいさな風邪も、何もかも、治さなくちゃいけない。

歯医者にはなりたくなかった、毎日汚い歯を見るほど嫌なことはない。

でも、それなら、何にもなる資格はない。

ああ、私は町医者になれるのか。
名誉や欲に惑わされず、一人の人の命を、全て平等だと思えるようになるだろうか。
法外な人間ではなく、1個の個人として、私は町医者になれるだろうか。

美談じゃない、たくさんの複雑な物語があるからこそ、胡蝶の夢は面白いんだ。最高。