美貌録

とにかく、思うことを何も気にせず、淡々と、書いてみる。

国盗り物語

国盗り物語〈1〉斎藤道三〈前編〉国盗り物語〈1〉斎藤道三〈前編〉
司馬 遼太郎

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国盗り物語〈2〉斎藤道三〈後編〉国盗り物語〈2〉斎藤道三〈後編〉
司馬 遼太郎

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斉藤道三の物語。
並みのように大量に押して、そして引く時は引く。
彼は天下は取れなかったが後世に名を残した。
土岐氏を追った事で名声を逃し、「国盗り」イメージを強くした訳だが、時代の流れを読みきる事、それを行った事で自分がどのような評価を受け、それが以後にどう伝播していくかと言う事を読みとる事が客観的に大切である事を学んだ。

最初のお万阿とのやりとりは非常に面白く、時期を読むという事を充分にわかっている道三の姿は勉強になる。「口に出せば出来る」「出来ないと思うから出来ない」

道三をただ単純に「主殺し」と嫌いになれない一方、組織論についても考えさせられる。

国盗り物語〈第3巻〉織田信長〈前編〉国盗り物語〈第3巻〉織田信長〈前編〉
司馬 遼太郎

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国盗り物語〈第4巻〉織田信長〈後編〉国盗り物語〈第4巻〉織田信長〈後編〉
司馬 遼太郎

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しかし、この長編は傑作である。人の心を話さず、尚且つ人間の複雑さが良く出ている。
後半は信長の物語であるが、明智光秀の物語でもある。
頑なに真面目な、光秀と 周りが思うとおりにならないのが不思議でそれ以外を排除する信長。
ようやく信長について出世の道が開かれ、自分の実力を認められた。AIDMAであればadmireの部分。なのに、その時に、一番大切な「生命」の危険を、誰よりも感じてしまう繊細な光秀。

信長と言うと長篠の戦と桶狭間くらいしか知らなかったが(後は楽市楽座とかね)彼をヘッドに持った組織の闇と、複雑な心情を、この本では余す所なく語っている。

目の付け所は非常に素晴らしいのだが、ついてこれないものを「阿呆」とみなす。自分にもそういうところがあるから、それは自制しようと思う。かといって、光秀みたいなA型というか、細かいのは私も無理だなー。

名声と、誰よりも真面目に生きてしまった光秀。
野望と名声に生きてしまった信長。
光と影みたいだから、結局そういう運命になったのではないだろうか。

しかし、私感想文へた。