峠
峠 (上巻) | |
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表舞台に出ることのない時代を作った河合継之助の物語。
陽明学に準拠し、長じたものを生かさなければそれは人間と言うパーツで生まれた意味がない、体に意味があるのではなく、精神と行動に意味があるなど、先進的な?考えを持つ。
即行動に移せるほどに自分の精神を研ぎ澄ましていかなくてはいけない、行動は考えの先に必然的に出てくるものである、要は自分を信じていないから行動が出来ないのであり、怖い、二の足を踏むと言う言葉は彼にはない。ないように精神を研ぎ澄ます。
中庸として生きることを求められるのも武士であり、自らの家禄を一生懸命守るのも武士であれば、「民」を考えるという武士には似使わない考えの持ち主ではあるものの、後世の人があこがれる武士らしい武士と言える。
「志士は時代に流されているだけで、彼らに意思はない」と言った継之助の気持ちは今のベンチャー企業を起こしたいと言う烏合の衆に似ているものがある。司馬遼太郎にこの立役者たちのことを書かせたら本当に天下一品で、その視点は鋭く切ない。