蝉しぐれ
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藤沢 周平 文芸春秋 1991-07 売り上げランキング : 6982 おすすめ平均 こんな風に生きてみたい 時代劇ファン、藤沢ファン以外にも楽しめる 時代小説というか青春の書です! Amazonで詳しく見る by G-Tools |
久し振りの藤沢周平。
文四郎の淡い恋、謀反劇への巻き込まれ、友情、そして将来。
色も感じなかった近所の子おふくへの淡い恋もどきから物語が始まる。何も感じなかったはずなのに、気付いたら殿の寵愛を受け、そしてその子を守るために打って出る男気。父の田畑を守る姿勢に憧れ、・・・ちょっとお酒が入っているので詳細な解説はできないけど、大人になる事への「罠」が時代に渦巻いている。その中で「いかに生きるか」は非常に感慨深いものがある。
夢だけでかなわない、恐れるだけでは始まらない青春とそして好々爺になる結末、文学作品の教科書とも言える。幸せは小さな所にある、そう考えさせられる作品。
だめだ、お酒が入ると上手くかけないね。
さて、最近、疲れていてどうも活字中毒らしい。武士らしい作品が読みたいと思っているのに、読む本が見つからず藤沢周平を読む。司馬遼太郎が華やかなる人の暗黒面をクローズアップしているものだとしたら、藤沢周平は普通の人の幸せと不幸せを書いている。禍福は糾える縄の如し、ただ、ひたすら頑張るしかない、そんな感じ。