美貌録

とにかく、思うことを何も気にせず、淡々と、書いてみる。

コラプティオ(真山仁)

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コラプティオ

真山仁氏は、ハゲタカ、マグマなど、硬派なビジネス風小説とでもいうのだろうか、そんな感じの結構好みの作風なのだ。村上春樹風な主人公を強くして、強くして、富士山100回位登って、ハードボイルドワンダーランドにテキーラを飲んじゃう感じの。

 

で、今回、楽しみにコラプティオを読んだ。

大いなる違和感は、読了した後に解った。

これは、東日本大震災が起きる前に連載されていたもので
まさか、原発がこんなに大きな問題になるだろうと思わずに
書かれたものだ。

しかし、現実は起きてしまった。

震災前と震災後の「原発」という言葉の重みが変わったのだ。

その整合性が取れずに、読み終わった後に、なんとなくモヤモヤが残る。

 

ストーリーとしては、

頑張るお兄ちゃん(記者)の成長、現実を見るためのメンターみたいな人の存在がお兄ちゃんを成長させる。

そして、いい人の出現。葛藤しながら、総理に助言していく、いい人。葛藤を引き起こすためのメンターの出現。

最後にダークサイドに落ちていく政治家

 

そう、構図は解りやすく、読みやすいんだが、時代との整合性が取れない。

自分の脳内で現在と示し合せたいから、もやもやする。

 

と、読み終わったところで、トルコに原発を輸出ってニュースが流れたから、もしかして、2年後に読み返したら全く違う感想を持つのかもしれない。

葛藤シーンはドキドキするが、今回は物語の華となる女子も少なく、今迄みたいにハードボイルドワンダーランド要素がとても少ないように感じた。